Trevor Rabin
Photo by DEBORAH ANDERSON
YESでの「ロックの殿堂(ROCK & ROLL HALL OF FAME)」授賞式で魅せたパフォーマンスの勢いままに行われた4月の日本ツアーでは、YESの歴史的な名曲が揃ったセットリストによるその素晴らしいショーでファンを魅了したYES FEATURING JON ANDERSON, TREVOR RABIN, RICK WAKEMAN。
YESの象徴であるジョン・アンダーソンの歌声とリック・ウェイクマンのキーボード群が創り出す壮大で幻想的な音世界、そしてトレヴァー・ラビンによる美しくもありパワフルなギターサウンドと冴えわたるギタープレイ、歌声が融合したパフォーマンスはライヴを観た人々への大きな感動を与えるとともに大いに新作への期待を抱かせるものであった。
YESの殿堂入り・授賞式でのパフォーマンス、そして今回の日本ツアーについてトレヴァー・ラビンに訊いた。
Interview / Text Mamoru Moriyama
Translation Louis Sesto (EAGLETAIL MUSIC)
Muse On Muse (以下MM) : ロックの殿堂(ROCK & ROLL HALL OF FAME)入りおめでとうございます! 殿堂入りを果たした気持ちをお聞かせ下さい。
Trevor Rabin (以下TR) : 授賞式でのパフォーマンスは素晴らしいものとは言えなかったけど、殿堂入りしたことに関してはとても光栄に思っている。ゲディ・リーの演奏は素晴らしかったね。
MM : 授賞式では、久々の再結晶YESによるパフォーマンスはもちろん、”Owner of a Lonely Heart”でスティーヴ・ハウがベースを弾いたり、”Roundabout”ではRUSHのゲディ・リーが参加するなどにも驚かせられました。久々に再結晶YESで演奏してみて如何でしたか?
TR : 先程も言ったように、あまり素晴らしいものとは言えなかった。でも、ゲディの演奏は素晴らしかった。他のアーティストのパフォーマンスも楽しめたし、フィナーレでの演奏も楽しかったよ。忘れられない夜になったのは確かだ。アレックス・ライフソンやゲディ・リーと時間を過ごせたのは最高だった。素晴らしい人たちだね。
MM : アルバム「90125」はYESに大ヒットをもたらした素晴らしい名作であった一方で、当時、YESデビュー時からのコアなファンはこれまでとは違った作品のキャッチーさやサウンドのモダン化といった変化に戸惑いも見せていました。今振り返ってみてYESの歴史における重要な節目となったこの作品についてどう思いますか?
TR : 元々、バンドに加入する以前に殆どの楽曲を自分が既に書いていたので、自分にとってはとても自然な形で作品ができたと感じていたよ。
MM : YES FEATURING JON ANDERSON, TREVOR RABIN, RICK WAKEMANではあなた自身23年ぶりとなる来日公演でした。ライヴでのARWの素晴らしいパフォーマンスは日本のファンを魅了しましたが、あなた自身では今回の日本公演についてどのように感じましたか?
TR : 日本に行ってプレイすることはいつも楽しいよ。だから今回も日本に行ってプレイできたことをとても嬉しく思った。ともかく楽しい時間を過ごしたね。
MM : あなたは今回のライヴでも相変わらずの見事なギタープレイや歌声を披露していましたが、ARWとして活動・ツアーすることが決まった後、どのように準備し、このようにクオリティの高いライヴ感を取り戻したのでしょうか?
TR : 最近は映画音楽を手掛けていて、どちらかと言うとオーケストレーションやオーケストラの指揮をすることが多かった。勿論、自分が書いた音楽をプレイすることは多々あるし、2013年にはインストゥルメンタル・アルバムもレコーディングした。17年の間に50本もの映画音楽を手掛け、久々に(ARWとして)ライヴ活動を再開することになり、新たな気持ちでステージに立つと思っていたけど、実際はブランクを感じることもなく何の問題もなかった。最初は演奏も少し錆び付いていた感はあったけど、今はもう大丈夫だ。ツアー前に十分なリハーサルも行って準備をしたし、日本公演の前にもライヴを沢山やっていたから、日本公演の頃にはバンドもだいぶまとまっていたはずだ。
MM : ライヴでのギターの音も素晴らしかったのですが、一見した感じではステージ上のあなたの機材はとてもシンプルでした。今回の来日で使用した機材(ギター、アンプ、ペダル類)について教えて下さい。
TR : 最近は普通のアンプを使わずにFractalを使っている。Fractalを開発したMatt Piconeは素晴らしい才能の持ち主だ。他のメーカーの製品もいくつか試してみたけど、やはりFractalが一番しっくりくるね。自分の使いたい音をそのユニットを全て使って作ることができる。ギターに関しては昔から使っているFenderのストラトとAlvarezのシグネイチャー・モデルも使っている。エレキを3本とアコースティックを1本使っているよ。
MM : ライヴにおけるギターの音作りやバンドのアンサンブル、パフォーマンスといった部分であなたが心掛け、取り組んでいることについてお聞かせ下さい。
TR : 自分にとって最も大切なのはギターが堂々とした素晴らしい音であることだ。そして速いフレーズを演奏している時でもひとつひとつの音が重ならずにはっきりと聴かさなければいけない。演奏する音符がクリーンかつ明確であることが最も重要だ。あと、会場の環境によっては音の調整を怠らないようにしている。こういう時にFractalを使うととても便利だよ。
MM : 前回のインタビューでは、ARWの新曲はレコード会社からリリースすることに興味はなく自分達で発表するとのことでしたが、新曲は現時点でどのくらい揃っているのでしょうか、ファンに届けられるのはいつ頃になりそうですか?
TR : ファンからの温かい要望もあって、今後はバンド名を”YES FEATURING JON ANDERSON, TREVOR RABIN, RICK WAKEMAN”と名乗ることになった。新しいマテリアルはもう完成間近だ。でも、実際は終わりそうな曲に自分がまた色々と手を加えようとして最終的にはボツにしてしまうこともあるので・・・実際にはいつ完成するかは分からないよ。こういった作業をしている時もFractalはとても便利だ。ライヴで弾いた時の音をそのままスタジオでも流用できるところが素晴らしい。
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