いよいよ、今週末4月7日から第84回アカデミー賞最多受賞タイの5冠に輝いた注目の映画「アーティスト」が公開となる。21世紀にも関わらず「モノクロ・サイレント映画」であることが強烈に話題を呼んでいるが、本作は「音楽」も要注目だ。
本作の「サイレント」は「無音」という意味ではなく、セリフの音声が流れないだけでほぼ全編にわたって音楽は存在している。このような映画において「音楽」は感情やストーリーを伝える働きがより求められるため、その制作には只ならぬ力を注がれている。この重要な責務を果たしたのは、今世界的な注目を集めている映画音楽作曲家のルドヴィック・ブールスである。ルドヴィックは、先月監督とともにプロモーション来日を果たした。俳優陣や監督ではなく、作曲家がプロモーションのために来日することは珍しく、本作品にこめた想いや制作秘話をきくことができる貴重な機会となった。
監督のミシェル・アザナヴィシウスとタッグを組んだのは「アーティスト」が4作目。エレクトロ、ロック、ヒップホップ、民族音楽まで幅広くの音楽ジャンルの制作を行ってきたルドヴィックだが、本作で求められる世界観を再現するために多数のハリウッド映画を参考にしたという。「本作はハリウッドの名画の偉大な作曲家たちへの愛を宣言したトリビュートとしての意味合いも持っているんだ。」とも明かした。
最終的なレコーディングはブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団と1週間をかけて行われ、ミュージシャン80人、ストリングス奏者50人、フレンチホルン奏者4人、トロンボーン奏者4人、パーカッション奏者5人、ハープ奏者1人、テクニシャン10人、編曲家5人、ミキサー3人を要した。映画作品だからこそ実現できた、単体の音楽作品では考えられない程の豪華で大規模なレコーディングとなったのである。
こうして制作された本作の音楽は、アカデミー賞の作曲賞や第69回ゴールデン・グローブ賞作曲賞をはじめとして、映画関連の音楽賞を多数受賞している。本作のオリジナル・サウンドトラック日本盤CDは4月11日に発売となるが、音楽作品として単体でもオススメしたいほど素晴らしい内容となっている。ちなみに本作はPC配信もしておりiTunesなどでも購入可能だ。
これからの活躍が楽しみなルドヴィックはインタビューを下記のように締めくくった。
「こんにちは。『アーティスト』の音楽を作曲しました、ルドヴィーグ・ブールスです。この素晴らしい映画を観に行くことを皆さんにお勧めします!シンプルですし、この地球の人々が今、こういった危機の多い時期に、一番必要なストーリーだと思います。『アーティスト』には、今この地球の人々に必要な純粋さやロマン、愛、素朴さがあります。皆さんぜひ映画を観て下さいね。」
「アーティスト」オリジナル・サウンドトラック
音楽:ルドヴィック・ブールス
2012年4月11日発売 SICP-3486 税込¥2,520
【映画情報】
「アーティスト」|”THE ARTIST”
製作国:フランス
公開日:2012年4月7日
上映時間: 1時間41分
配給:ギャガ
http://artist.gaga.ne.jp/
(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)