Judas Priest (ジューダス・プリースト) 最後のジャパン・ツアーもラスト2本!

“メタル・ゴッド”ことジューダス・プリーストが「大規模なツアー活動から撤退」「40年以上に及ぶそのキャリアに終止符を打つ」と発表したのは記憶に新しいが、今まさに最後の来日公演が行なわれている。

2月7日の福岡公演に始まり、横浜、大阪、広島、名古屋と来て、いよいよ2月16日のZEPP東京、そして17日の日本武道館でついにフェアウェル・ジャパン・ツアーの幕を閉じてしまうのだ。今回が実質的に最後の来日公演になる可能性が高いことから、全国のメタル・ファンが各地詰めかけている。

Photo : TAKUMI NAKAJIMA

この最後のワールド・ツアーのタイトルは『エピタフ』(墓碑銘)。彼らは、自らの40年の歩みをライヴを通して示し、ファンの心に永遠の記憶として刻み込もうとしており、披露している楽曲はデビュー作から最新作まで、ヴォーカルのロブ・ハルフォードが参加した全アルバムから最低1曲はピックアップした構成で、つまりは各アルバムのハイライト曲のオンパレードなのだ。まさにジューダスの輝かしい40年の歴史を一瞬でタイム・トラベルできるツアーとなっている。

Photo : TAKUMI NAKAJIMA

70、80年代からの往年のファンを中心に比較的最近ファンになったと思われる20代の若いファンもいるオーディエンスの熱気はすさまじく、全楽曲のサビのみならず、ジューダスの代名詞“ツイン・ギターによるドラマチックなギターのフレーズ”まで自然発生的に大合唱が起きるほど。ステージ上だけでなく会場全体の空気さえも鋼鉄の強度だ。またロブ・ハルフォードも数々の衣装バリエーションを用意しており、その1つ1つがジューダスの歴史を感じさせるものになっている。もちろん、けたたましい爆音とともにハーレーに乗ってのバイク登場も!(レディ・ガガのヒット曲「ジューダス」のPVのアイディアはここから来ているとの噂も…)。さらに、恐らく洋楽史上もっともヒアリングが容易な(?)ロブ・ハルフォードのオーディエンスを鼓舞するキャッチーなMCも健在だ。また、ワールドツアー直前に突如脱退、ファンに衝撃を与えたK.K.ダウニング(Gt)の穴を埋めるべく起用されたリッチー・フォークナーのアグレッシヴなパフォーマンス(若き日のザック・ワイルド風との声も)も各地会場を大いに沸かせている。

Photo : TAKUMI NAKAJIMA

そして本日、この最後のジャパン・ツアーを記念して、ファンには嬉しいカタログ(77年~90年)の最新リマスター盤が一挙発売された。メジャー・デビュ-作となった3rdアルバム『背信の門』(77年)からロブの一時脱退前の最後のアルバム『ペインキラー』 (90年)までの、ジューダスが“ヘヴィ・メタル”を世界に知らしめ、キャリアの上昇期・絶頂期を網羅した12作品だ。しかも驚くべきことに、これらは世界で日本だけの発売なのだ。

実はジューダスは01年にリマスター・シリーズを発売しており、それらが現時点で世界における最新リマスター盤である。とは言え既に10年前の音ということで、今回の来日決定に際して日本のレコード会社の担当者が試しにLPのオリジナルの音、CD化初期の音、そして01年のリマスター盤を聴き比べてみたところ、大きな発見があったという。01年のリマスター音源は当時の世界的なマスタリング・トレンドにあわせて音圧を極限まで上げ、かつ派手に聴こえるような加工を随所に施していることが判明したのだ。「01年盤だけ聴いてたら気づかなかったサウンドのレンジ感やツイン・ギターのミックスのディテールなどが、場所によってはかなりオリジナル・ミックスとは異なって聴こえ、ちょっとやりすぎと感じた」ことから、本国UKの担当者にリマスターの改訂を提案をしてみたと言う。それに対する回答は「バンドが音を聴いて気に入れば発売を許可する」というものだった。すでにその時点で昨年の11月と年の瀬に差しかかっていた為、緊急でスタジオとエンジニアを押さえ、音の方向性を「オリジナル・ミックスのナチュラルさを再現しつつ、音圧は現代のレベルに」をポイントに作業を開始、アルバム12枚全ての作業を終えた12月にダメもとでバンド・サイドに送ったところ、なんと奇跡的に一発でOKが来たという。それ以外にも01年盤のジャケットに登場し一部のファンから不評を買った「四方を囲う銀色の淵」が今回無くなりオリジナルのままの絵柄に、バックカヴァーはクレジットのレイアウトなどが今回新たにUKでレイアウトされ直した新装版で登場している。01年盤にあったボーナス・トラックまで今回リマスターされて収録されているので、過去の“良いとこ取り”をしたのが今回の再発盤なのだ。

Photo : TAKUMI NAKAJIMA

ジューダスが躍進する最重要時期の作品群をまだ持っていない人はもちろん、すでにカタログを持っている人も是非、聴き比べてみてほしい。特に01年のリマスター盤しか持っていない人やCD化初期のものを持っているものの「ここ10年で買った他のCDに比べて音のレベルが明らかに小さい」と不満に感じている人には、今回のリマスター・シリーズは最高の記念盤となるはずだ。

<公演日程>
2月16日(木) ZEPP東京
2月17日(金)日本武道館

お問い合わせ先:クリエイティヴマン
http://www.creativeman.co.jp/artist/2012/02judas/

<リリース情報>
以下全て2月15日発売 最新リマスター盤(12作品)
「背信の門 / SIN AFTER SIN」   SICP 3392  \ 1,890(税込)
「ステンド・クラス / STAINED CLASS」  SICP 3393  \ 1,890(税込)
「殺人機械 / KILLING MACHINE」  SICP 3394  \ 1,890(税込)
「イン・ジ・イースト / UNLEASHED IN THE EAST」  SICP 3395  \ 1,890(税込)
「ブリティッシュ・スティール / BRITISH STEEL」  SICP 3396  \ 1,890(税込)
「黄金のスペクトル / POINT OF ENTRY」  SICP 3397  \ 1,890(税込)
「復讐の叫び / SCREAMING FOR VENGEANCE」  SICP 3398  \ 1,890(税込)
「背徳の掟 / DEFENDERS OF THE FAITH」  SICP 3399  \ 1,890(税込)
「ターボ / TURBO」  SICP 3400  \ 1,890(税込)
「プリースト…ライヴ!/ PRIEST…LIVE」 (2CD)  SICP 3401-2  \2,600(税込)
「ラム・イット・ダウン / RAM IT DOWN」  SICP 3403  \ 1,890(税込)
「ペインキラー / PAINKILLER」  SICP 3404  \ 1,890(税込)

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『メタル・リスペクツ』(THE CHOSEN FEW ) SICP 3391 \1,890(税込)

<リンク>
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/ES/JudasPriest/index.html

(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)