Robert Johnson (ロバート・ジョンソン) 生誕100周年

「十字路で悪魔に魂を売り渡した」Robert Johnson (ロバート・ジョンソン)、生誕100周年。現代の最新技術でその音が蘇る!

「十字路で悪魔に魂を売り渡した」伝説的ブルース歌手&ギタリスト=ロバート・ジョンソン。彼は不倫が発覚して27歳のときに毒殺されており、その短い生涯にレコーディングした全27曲、42テイクと、2枚の写真のみを残した、多くの謎に包まれた人物である。しかし彼のギター・テクニックと歌は人々を70年以上もの間魅了し続け、「十字路で悪魔に魂を売り渡して引き換えにテクニックを身につけた」 といういわゆる「クロスロード伝説」と共に語り継がれている。エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、サンタナ、ジミー・ペイジ、ジョー・ペリーなど数々の著名なギタリストに多大な影響を与えた、現代のロック・ミュージックの系譜学上の最重要人物であると言える。

今回、100周年を記念してロバートの初となるミュージック・クリップがアメリカのイラストレータークリストファー・ダーリングによって作成された。

(ミュージック・クリップはこちら)

ロバートの楽曲に合わせて、「クロスロード伝説」などを含む彼の生涯がコミカルに描かれている。まだロバートの奏でる音楽を聴いたことがない人はぜひご覧いただきたい。

ミュージック・クリップは

「彼の伝説の全てが真実であるとは限らない。

ただ一つ確かに言えるのは

NO ROBERT JOHNSON, NO ROCK AND ROLL

ということである」

という印象的なフレーズで締めくくられる。

また6月1日発売となる、100周年を記念した『コンプリート・レコーディングス』は、現存するすべての音源を音響エンジニアの鬼才であるスティーヴン・ラスカーが、現存する最良のオリジナルおよびテストプレス盤の溝の音楽情報から、新たな技術で音デジタル転送した、全く新しい物である。その後、セス・ウィナーというもう一人のマジシャンが、「カチッ」という音や「パチパチ」という音、擦り切れた溝の音、などの細かいノイズは丁寧に取り除いている。ただしディスク全体に残る高域のヒスノイズは、オリジナルの音のディテールと共に除去されることを避けて残されている。みるみると変化するロバートの表現力豊かな声や空気感をディテールまで存分に楽しめる本作は、旧来のものとは全くの別物であると感じられる。ロバートは録音から一世紀近くのときを経て今も語り継がれ、年代を問わず多くの人々に新たな発見や感動を生んでいる。「僕も十字路で悪魔に魂を売って内定を勝ち取りたい」とネット上でつぶやく就職活動中の若者が印象的である。100年後もまた200周年アニヴァーサリー企画が行われているに違いない。

 

【以下著名ミュージシャンによるコメント】

「ロバート・ジョンソンの素晴らしくソウルフルな音楽は、僕の音楽的旅路の全行程を通じて刺激を与え続けてくれている」――エリック・クラプトン

「ロバート・ジョンソンには神が宿っている――悪魔ではなく! 悪魔は弱く、卑劣で、失敗を運命づけられている。ロバート・ジョンソンの音楽の中にあるのは神の偉大な栄光だ」

――カルロス・サンタナ

「ロバート・ジョンソンの音楽は、夢と神秘主義に満ちた異世界の領域へと導く不思議な入り口であり続けている。わずかなレコーディング作品を種として、彼の音楽は我々全員の魂の庭にばらまかれ、絡み合って根を下ろしている」

――クリス・ロビンソン

「ロバート・ジョンソンの音楽に触発されて無数のリフが生まれた。ロバート・ジョンソンの神話に触発されて無数の夢が生まれた……」

――ジミー・ペイジ

「ロバート・ジョンソンは偉大なミュージシャンで、独自の演奏を編み出してみせた。あまり長いことこの世にはいなかったけど、すべてを変えてみせたんだ」

――デヴィッド・“ハニーボーイ”・エドワーズ(95歳。ロバート・ジョンソンの友人)

「初めてロバート・ジョンソンを聴いた時――鳥肌が立った。あの声とギターの響き――二人の人間が同じ一つの部屋にいるに違いないと思った――それでも一つの存在として完璧に融合されていたんだ。レコーディング時の環境――室内の様子――レコードのパチパチという音――初期のマイクロフォン――録音機器の雑音――そのどれもがどこか別の場所から呼び出されて、明らかに異世界の音を生み出していた。あの部屋の中に入れるなら何を差し出してもいいと思った。ロバート・ジョンソンの演奏と歌がブルースを定義づけたんだ――それ以前も以後も、彼に近づけた者はいない。あまりにも早く死んでしまったけど、彼の残した音楽と伝説が神秘的なオーラとなって包み込んだブルースが、世界の隅々にまで木霊している。彼の29曲を一度聴けば、もうそれ以前の自分と同じではいられない。“オールド・スクラッチ(=悪魔)”がせいぜい彼の魂に優しくしてくれることを願うよ!」

――ジョー・ペリー

「ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれたニキビ面のキッズたちがイギリスからこぞって押し寄せてようやく、アメリカ人は自分たちの国にずっとあった途方もない物の存在に気づかされた:ロバート・ジョンソンとそのブルースだ」

――ジョン・メレンキャンプ

「ラウドスピーカーから最初の一音が響いた瞬間、その振動に鳥肌が立った……即座に、それまでに聴いた他の誰とも区別して彼のことを考えるようになった」

――ボブ・ディラン

【リリース情報】

The Centennial Collection/コンプリート・レコーディングス~センテニアル・コレクション

Robert Johnson/ロバート・ジョンソン

SICP-3088~89/アルバム/2011.6.1/\2,625(税込)

英文ライナー:ロバート・ジョンソン研究の第一人者スーティヴ・ C・ラヴィアの書下ろし(翻訳付)/解説:鈴木啓志/歌詞、対訳付

(ソニー・ミュージック・ジャパン  インターナショナル)