Vol.98 Oz Noy / June 2019

Oz Noy


Photo by Cari Paige

Oz Noy(オズ・ノイ)が新作「BOOGA LOOGA LOO」をリリース。インタビューでオズ本人が語っているように今作では、”Boogaloo meets Bitches Brew”がコンセプトであり、マイルス・デイビスが”Bitches Brew”でエレクトリック・ジャズに取り組んだようにオズはエレクトリックなBoogalooスタイルに取り組んでいる。アルバムはオズ自身のオリジナル曲である4曲とセロニアス・モンク、レイ・チャールズ、ビーチ・ボーイズ、ビートルズといった偉大なミュージシャンの曲を見事にオズ流に仕立て上げたカヴァー4曲で構成されており、ミュージシャン層から音楽ファン層に至るまで幅広い人々を魅了するであろう奥深さと親しみやすさを兼ね備える充実した作品となっている。新作「BOOGA LOOGA LOO」についてオズ・ノイに訊いた。

Interview / Text  Mamoru Moriyama
Translation         Hiroshi Takakura


Photo by Cari Paige

Muse On Muse (以下MM) : ニューアルバム「BOOGA LOOGA LOO」では、ミュージシャン層から音楽ファンに至るまで幅広い層を魅了するであろう奥深さと親しみやすさを兼ね備えた素晴らしい作品となっていますが、アルバムのコンセプトについてお聞かせ下さい。
Oz Noy (以下ON) : コンセプトは、Miles Davisの名アルバム ”Bitches Brew” とブーガルーの融合だね。Electric Boogalooのレコードのような作品にしたかったんだ。

MM : 参加ミュージシャンについて紹介下さい。
ON : ドラムは Steve Ferrone、Vinnie ColaiutaとDave Weckl、ベースは Will Lee、John Patitucci とJames Genusがやってくれた。オルガンとキーボードには Brian Charette、Jerry Z、ピアノを担当したのはKevin HaysでフルートがAnn Drummond 、トランペットは John Sniderがやってくれた。

MM : 今作でもリアルなライヴ感に溢れる演奏を聴くことができますが、レコーディングはどのように進められたのでしょうか?
ON : リアルなジャズのレコードを作る時と同じように、全てライブで録音したんだ。僕のソロでの一作目からずっと同じやり方を続けているよ。

MM : あなたによるオリジナル曲が4曲収録されていますが、これら曲について教えて下さい。
ON :
“BooGaloo Fever”
ブーガルーのスタイルで本物のブーガルーの曲を書きたかったんだ。

“Chocolate Souffle”
90年代半ばにニューヨークへ引っ越した時から、この曲のサビのメロディーが頭にあったんだ。このアルバムのスタイルに合わせて自分の中でリメイクした感じだね。自分にとって凄く大事な曲で、ある意味自分のベスト7の曲に入るだろう。強力なサビがあるだけでなく、ブルースのグルーヴとジャズのハーモニーがうまく融合している曲なんだ。

“A Soul Thang”
この曲は70年代の弦楽器のサウンドを使ったスローでソウルフルな曲だね。やってて楽しかったよ!

“BooGa LooGa Loo”
Lee Morganの”Sidewinder”のような雰囲気を持った究極のブーガルーを作りたかったんだ。7/4の変拍子を使ってね。

MM : 今作でもオリジナル曲の他に偉大なミュージシャン達の曲が取り上げられています。レイ・チャールズ (Ray Charles) の”I Got a Woman”を取り上げた理由をお聞かせ下さい。
ON : 一度演奏するだけで、「この曲は僕のスタイルやサウンドと相性が良いな。」ってわかる類の曲があって、”I Got a Woman”はそういった曲の中の一つだね。

MM : The Beach Boysの”God Only Knows”は、あなたのギターとチェロやヴァイオリンのストリングスによる美しいアレンジがエモーショナルに聴き手の心に響きます。
ON:“God Only Knows”はいつの時代に聴いても最高の曲の一つだと思ってる。とにかくハーモニー、メロディーと歌詞全てが素晴らしいんだ。ずっとやりたいと思ってた曲でやっと自分らしく弾くやり方を見つけた。始めは4人でレコーディングしたんだけど、何かが足りないなって感じて、さらにスペシャルな曲になるように弦楽器のパートを加えたんだ。

MM : The Beatlesの”Eight Days a Week”では、ロックンロール感溢れるWill Leeのボーカルとあなたのギターが魅力を放っています。
ON : 僕とベースのWillがライブする時、この曲はアンコールの曲としてやるんだ。何年も演奏してきたんだけど、やってて本当に楽しい曲だからね。テキサス・シャッフルのスタイルで演奏すると映える曲だね。

MM : これまでの作品でもセロニアス・モンクの楽曲を取り上げていますが、今作の”Bemsha Swing”では曲を支配しているエフェクティヴなサウンドがとても印象的であり、見事にOz Worldが表現されています。
ON : モンクの曲をリメイクするのは大好きさ。彼の曲には自由があって色々な解釈ができる。僕はこの曲において、モンクのオリジナルとマイルス・デイビスの”Bitches Brew”を融合させる事を意識したんだ。

MM : アルバムで使用したギター、アンプ、ペダル類を教えて下さい。またギターのピックや使用した弦の種類についても教えて下さい。
ON : ギターはFender Custom shop製の 68年ストラトのローズウッドとメイプル、それにLes Paul 59 custom shopと58 Custom Shop Taleを使った。弦はD’Addarioの0.11~のセットを全てのギターで使ってる。ピックはDunlopの2.00mmのものを使っている。アンプはTwo-RockのTS1とTwo-RockのClassic ReverbとMarshall 50w 68′ Preziを使い分けていて、エフェクターはLINE M9、Xotic AC/DC OZ signatureペダル、Boss DD7ディレイ、Vox Oxbow StudiosのWahペダル、DunlopのPhase 90、TC Electronic Poly Tune、IbanezのTS808、SweetsoundのUltra Vibeとelectro HarmonixのMemory Manを使った。

MM : 憧れのミュージシャンと全く同じ機材を使っても同じ音は出ないと語るギタリストは多くいます。ギタリスト自身のテクニック、使用する機材とギターサウンドの関係性についてあなたはどのように考えますか?
ON : 「良いトーン」と「テクニック」という観点で上手くプレイしないといけないんだ。10人のギタリストが同じギターとアンプ、ペダルを使ったとしても、全く別のサウンドになるのは、それぞれの頭の中にあるイメージから実際に放たれる音、その過程がそれぞれ人によって違うからね。

Oz Noy official site  http://www.oznoy.com/


Oz Noy / Booga Looga Loo

1.Boogaloo Fever
2.Chocolat Souffle
3.A Soul Thang
4.Bemsha Swing
5.Booga Looga Loo
6.I Got a Woman
7.God Only Knows
8.Eight Days a week