Vivian Campbell
Photo by Jim Wright
DEF LEPPARDのメンバーとしてロック殿堂入りを果たしたヴィヴィアン・キャンベル。DIO、WHITESNAKE、そしてDEF LEPPARDといった錚々たるレジェンド・バンドにおいて功績を残してきたヴィヴィアンが心血を注ぐもう一つのバンド LAST IN LINEが2作目となるニュー・アルバム「II」をリリースした。新作「II」においても、前作「HEAVEY CROWN」を継承したブルース・フィーリングを持ち合わせたリアルなロックが展開されており、聴きごたえのあるハードロック作品となっている。また、ヴィヴィアンも自由奔放にギターを歌わせ、時にアグレッシヴにギターを弾き倒しており、DEF LEPPARDにおけるギタープレイとはまた違った魅力を放っている。ニューアルバム「II」についてヴィヴィアンに訊いた。
Interview / Text Mamoru Moriyama
Translation Hiroshi Takakura
Photo by Jim Wright
Muse On Muse (以下MM) : Def Leppardのメンバーとしてのロック殿堂入りおめでとうございます! 殿堂入りを果たした今の気持ちをお聞かせ下さい。
Vivian Campbell (以下VC) : 殿堂入りに関してとても光栄に思っているよ。何がうれしいかっていうとファンの投票で選ばれたことだね。ファンに評価された事っていうのが一番の賞なんだ。
MM : Def Leppardとしては昨年(2018年10月)に来日公演を行いましたが、日本でのツアーは如何でしたか?
VC : 日本は独特な国で僕はいつも素晴らしい体験をしているよ。日本のファンもスペシャルだから毎回訪れるのを楽しみにしているよ。Last In Lineでも日本にツアーできる事を願ってる。
MM : あなたはDIO、Whitesnake、そしてDef Leppardといったレジェンド・バンドでの活躍は勿論、Riverdogsや今回、新作「II」をリリースするLAST IN LINEでの精力的な活動など、ロック・ミュージシャンとして成功を収めてきました。
VC : 成功する事はとても幸せな事だ。今まで作ってきた作品も僕を幸せにしてきた。僕は運に恵まれていて、素晴らしいアーティストと一緒に音楽を作る機会があったんだ。そういう風に音楽を作っている日は毎日が成功に溢れた日といえるだろう。
MM : それではLAST IN LINEの新作「II」についてお聞かせ下さい。アルバムは哀愁を帯びたアンドリューの歌メロ、リアルなミュージシャン達によるリアルなバンドのプレイ、ロックの息遣いが感じられる素晴らしいハードロック作品となっています。このアルバムではどのような事を目指しましたか?
VC : アンドリュー、ヴィニー、フィル、そして俺、バンドの全員がこのアルバム「II」の出来上がりに満足しているよ。ベースのジミー・ベインが2016年に亡くなってからここまで来るのに長い道のりだったけど、やっと辿り着く事ができた。この3年間、多くのライブでフィルと演奏した事によって、お互いを知ることができたし、他の奴らが真似する事ができないスペシャルなサウンドを作り上げることができたんだ。「II」のアルバムは俺たちのサウンドが投影された作品になっているよ。やりたい事が全部できたから、これ以上何も変える必要がないっていうくらいの出来だね。
MM : 前作に引き続きJeff Pilson(ジェフ・ピルソン)がプロデュースを手掛けていますが、彼との仕事は如何でしたか?
VC : ジェフは才能に溢れた素晴らしい人間だ。彼のエネルギーと情熱に感化されて俺たちは素晴らしいレコードを残すことが出来た。それに彼は多才なミュージシャンでありプロデューサーでもあるんだ。
MM : ジミー・ベインの後任としてベースを担当しているフィル・スーザンですが、彼がバンドに加わった経緯について教えて下さい。彼のベース・プレイとのコンビネーションは如何ですか?
VC:ジミーを失った事は俺達にとってとても悲しい出来事で「Heavy Crown」を出したばかりの時期にバンドの勢いをも失う結果になった。でも俺たちは少し間を置いて活動を再開させて、新しいベーシストを探した。素晴らしいミュージシャンがオーディションに来てくれたんだけど、フィルが演奏した時、彼が色々な意味でこのバンドに適してるって事に俺たちは気づいた。彼のプレイはジミーに似ているんだけど、もっと細かいところを演奏できるんだ。彼は新しいアルバムに多くものをもたらしてくれたし、この3年間このバンドでプレイした事によって、俺たちのスタイルに完全に適応してくれたんだ。
MM : このバンドでの曲作りはどのように行われるのでしょうか?
VC : 「Heavy Crown」を作った時もDioの時も同じで俺たちはメンバー全員で一から曲を練って行くんだ。誰かがちょっとしたアイデアを持ち込むっていう凄く自然なやり方でやっている。そのアイデアを元にみんながそれぞれ音を出していって、一つの曲になるまで膨らませて行くんだ。こういう風にミュージシャンが皆参加していく方法がそのバンドの色を出すのにベストなやリ方だって信じているよ。
MM : ハードロック、ヘヴィメタルでは、ギターリフが曲における重要な位置を占めており、この作品においてもあなたは多彩で素晴らしいギターリフを生み出し続けています。毎回新たなリフを生み出し続けていく上でのあなたのアプローチ方法等についてお聞かせ下さい。
VC : ギターに関しては長い間プレイしてきたから、弾いていくうちに面白いリフがどんどん浮かぶようになってる。大抵小さなアイデアなんだけどね。ヴィニーはサウンドチェックの時や楽屋で生まれた音楽的なアイデアをちゃんと録音してくれて、彼は録音したアイデアを数ヶ月後にまたプレイバックしてくれたりするんだけど、そういった小さなきっかけが大きな結果に繋がるんだよ。
MM : ギターソロにおいても自由奔放にギターを歌わせ、時にフラッシーに弾き倒しているあなたの魅力が全開です。
VC : Dioのレコーディングで初めてソロを弾いたのは ”Rainbow In The Dark” だった。実際のレコーディングに入る前の段階ではうまく弾けなかったんだけど、本番のレコーディングでは一発目ですごく上手い具合にいったんだ。実は自分のキャリアの中でギターソロをきちんと考えて弾いた事がほとんどなかったと思う。”Rainbow In The Dark” の時のように運良くうまくいく事もあれば、自分が納得いく音になるまでにすごく長い時間がかかる事も多かったんだ。ギターソロはその曲の中で、音楽的にすごく重要な要素だから、ソロ自体がストーリーを語らないといけないし、ソロの初めから終わりまでその曲と上手く噛み合っていないといけないんだ。だから俺は今ではいつも事前にソロを準備するようにしているし、今は自分が最高のギタリストだと思っている。長いキャリアの中で今が一番自信を持ってプレイ出来ている事について、とてもハッピーだよ。
Photo by Jim Wright
MM : 長い間、音楽を続けている中で曲やギター・リフ、ソロのアイデアが浮かんでこない、といったスランプは起こりますか?
VC : 長くギターをプレイしてきたから、面白いアイデアはどんどん浮かんでいくよ。努力はいつも身を結ぶし、心をオープンにしておけばいつもアイデアが降りてくるんだ。
MM : アルバムで使用したギター、アンプ、ペダル類を教えて下さい。またギターのピックや使用した弦の種類についても教えて下さい。
VC : Last In Lineの時はいつもシンプルなセットアップをしている。ENGLの「Blackmore」のアンプとDio時代のLes Paul (72987537) と Gibson Custom Shop VCモデルを使っている。ピックはDunlopのメタルピックを使っていて、弦はDunlopのCustom gaugeの11, 15, 18, 30, 40, 50を使用している。ペダルはDunlopのJimi Hendrixのワウペダルを。オーバーダブ時にジェフの MXR Phase 90 ペダルを使ったりギターソロのいくつかには同じくジェフの古い Tube Screamer オーバードライブ・ペダルを使ったりもしたね。
MM : あなたにとってこのバンド “LAST IN LINE” とは?
VC : メインでやっているバンドではないが、凄く真剣に取り組んでいるプロジェクトで、出来るだけ多くの時間をこのバンドの為に費やして、行けるところまで行こうとしているんだ。Def Leppardの為に仕事をしていない時はLast In Lineの事をしている。バンドのみんなの才能を信じているし、自分のクリエイティブな部分を追求する事にカタルシスを感じているんだ。キャリアをスタートさせたSweet SavageやDio時代にアグレッシブなロックのギターを弾いていたから、Last In Lineではその時に身につけた筋肉をもう一度鍛えなおしてここからどういった方向性に進むのかを楽しんでいるところさ。
MM : 今後の予定について教えて下さい。
VC : 2019年の夏はDef Leppardのショーがヨーロッパとカナダ、そして少しアメリカでも入っている。その他の時期はLast In Lineのショーが予定されているよ。北米では既にライブをしていて、Def Leppardのツアーが始まるまで続く予定だね。そしてDef Leppardのツアーが終わればLast In Lineのショーに戻る予定だから2019年はすごく忙しい年になるよ!
MM : ファンへのメッセージをお願いします。
VC : 個人的に日本人や日本のオーディエンスの事は昔からずっと好きだよ。いつも暖かく迎えててくれるし、日本のファンはロックをよく理解してくれた上で好きでいてくれるし、日本に行く事を考えるとすごく嬉しい気持ちになるんだ。ありがとう!
LAST IN LINE official site http://www.lastinlineofficial.com/
LAST IN LINE / II
1.Intro
2.Black Out The Sun
3.Landslide
4.Gods And Tyrants
5.Year Of The Gun
6.Give Up The Ghost
7.The Unknown
8.Sword From The Stone
9.Electrified
10.Love And War
11.False Flag
12.The Light
13.LANDSLIDE(Acoustic) [JAPANESE BONUS TRACK]
Lineup:
Andrew Freeman – Vocals
Vinny Apice – Drums
Phil Soussan – Bass
Vivian Campbell – Guitars